「格安SIMは大手携帯会社よりも月額料金がお得」というのは分かるけど、通信速度や品質、サービス面なども気になりますよね?
そこで今回は、格安SIMに乗り換えるか悩んでいる人のために、大手キャリアと格安SIMの違いについて徹底解説していきます。
- 格安SIMの4つのメリット
- 格安SIMの7つのデメリットと解決方法
- 格安SIMに向いている人・向いていない人
メリットとデメリットをしっかり理解した上で、格安SIMに乗り換えるか、大手キャリアのままでいるのかを検討していきましょう。
格安SIMはデメリットの数は多いものの、人によってはそれほどデメリットでない場合もあります。
デメリットの解消方法も一緒に解説していきますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
格安SIMの4つのメリット
⑴月額料金が安い
なんといっても格安SIMの最大のメリットは「安さ」です。格安SIMは大手キャリアの料金の1/3から1/4となることがほとんど。
MMD研究所の調査によれば、大手三大キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク)と契約している方のスマホ月額料金の平均は、全体で8,451円という結果になっています。
一方、格安SIMのスマホ月額料金の平均は2,753円という金額でした。さらに、格安SIMユーザーのうちなんと43.1%が2,000円以下という数値になっています。
このように、自分に合った格安SIM会社やプランの組み合わせで、月々払うスマホ料金を劇的に安くすることができるのです。
⑵端末代が安い
MVNOではSIMフリー端末のセットプランを用意しているところがほとんどです。
1~3万円台のスマホ端末もあるので、そろそろ新しいスマホに買い替えたいなという人には、リーズナブルな価格なのでおすすめ。
大手キャリアはスマホ端末の種類はMVNOよりも豊富で、乗り換えなどで本体代が大きく値引きされることもあります。
しかし、毎月の利用料金とトータルで見た時に、格安SIMに早く乗り換えた方が元が取れます。
最新の機種が欲しい、絶対この機種がいい!などのこだわりがない限り、SIMフリー端末も節約し月々の負担を減らすのがベストでしょう。
⑶料金プランがシンプルで分かりやすい
格安SIMの料金プランは非常にシンプルで、色々なオプションはいらない!基本料金とオプションを分けて考えたいという方にうってつけです。
出典:mineo 料金表
上の写真はmineoの料金プランです。
- 音声通話SIM5GB:1,518円
- 10分かけ放題:550円
合計2,068円
“大手キャリアの料金プランは分かりにくい”、“表示価格はいろいろ割引されての金額だから比較しにくい”と感じる人でも、上の料金プランなら自分で組み合わせて簡単に計算することができます。
大手キャリアの料金プランは「家族〇人で加入/光セット割で○○円」という非常に分かりにくい価格表示になっています。
利用料金の値引きされる条件が厳しかったり、ややこしいため、料金プランを見ずに販売員の言われるがままに契約するという方も少なくないのではないでしょうか?
一部格安SIM会社でも分かりにくいなと感じる料金プランは存在しますが、基本は「料金プラン+オプション」と非常にシンプルで格安SIMに乗り換える人にも親切なプラン表記となっています。
⑷格安SIM会社独自のサービスがある
さきほど格安SIMの料金プランはシンプルとお伝えしましたが、MNVO各社では特徴的なサービスも提供しています。
「もう少しこうしたい…!」という要望に合う格安SIM会社を探すことが出来れば、料金面以外でも満足することができますよ。
格安SIMの7つのデメリット
格安SIMのデメリットは上記に示した通り7つあります。
メリットよりも数が多いので尻込みする方もいらっしゃるかもしれませんが、デメリットの解説とともに解決方法も載せているので、本当に自分にとってデメリットになるのかどうか考えていきましょう!
⑴通信速度が大手キャリアに比べて安定しない
格安SIMは大手キャリアから回線(帯域)を借りてサービスを提供しています。キャリアと同じ電波を利用しているので、通信エリアや品質はほぼ同じです。
しかし、借りている回線(帯域)しか使えないため、利用者が増えれば増えるほど回線が混みあって、MVNO会社によっては通信速度が落ちてしまいます。
混雑しやすい時間帯は以下の時間帯です。
- 7~9時:通勤時・通学時
- 12~14時:お昼休憩時
- 17~19時:退勤や下校時間
- 21~23時:ネット閲覧などをする時間帯
これらの利用者が集中しやすい時間帯は格安SIMの通信速度が落ちる可能性がありますが、LINEやX(旧Twitter)を見る程度なら問題はそこまでないでしょう。
このような問題を解決するためには以下を試してみるのがおすすめです。
- UQモバイルやY!mobileなどのキャリア並みの通信速度がある格安SIMを選ぶ
- 動画閲覧やアプリダウンロード・更新などを行う場合は、Wi-Fiスポットを利用する
- ポケットWi-Fiを持ち歩く
⑵実店舗が少ないあるいはないのでサービス面はキャリアより劣る
格安SIM会社(MVNO)は「実店舗が少ない」あるいは「実店舗を持たない」ケースが多いです。
店舗があれば何かトラブルがあった時すぐに対応してもらえますが、近くに店舗がない場合は全て自分でWebで調べたりサポートセンターに問い合わせなくてはなりません。
しかし、最近の格安SIMは深夜対応があったり、回答時間が非常に早かったりと、MVNOの企業努力によって今後サポート面に関しては解消していく可能性があります。
このような問題を解決するためには以下を参考にしてみましょう。
- 住んでいる地域に実店舗のある格安SIM会社を選ぶ
- WEBサポートの評判がいい格安SIM会社を選ぶ
店舗数ランキングでいうと以下のようになります。
- UQモバイル:約2,900店舗※
- Y!mobile:約4,000店舗※
- 楽天モバイル:約670店舗※
- mineo:約220店舗※
- イオンモバイル:約500店舗
※店舗によって取り扱いサービスが異なる
続いてWEBサポート面で評価がいい格安SIM会社は以下の通りです。
- UQモバイル
- Y!mobile
- NUROモバイル
- mineo
- IIJmio
- イオンモバイル
格安SIM初心者の方や機械操作が苦手という方は、上の格安SIM会社から選ぶとサポート面での不安が解消されると思いますよ。
⑶キャリアメールやキャリア決算等のサービスが使えない
格安SIMでは「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」「@softbank.ne.jp」といったキャリアメールを使うことができません。
キャリアメールしか持っていない方は、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールを新たに作る必要があります。
現在はキャリアメールを持つメリットがほとんどないため、“キャリアメールを持てないこと“はそれほどデメリットにはなりません。
ただ、他のキャリアサービスを使っている人はデメリットが大きいかもしれないので注意が必要です。
例えば、商品購入やサービス利用料金の支払い等を携帯電話の利用料金と合わせて支払うことができる「キャリア決算サービス」に変わる決済サービスは格安SIMには基本ありません。
Google Play | App Store | ショッピング サイト | |
UQモバイル | 〇 | 〇 | 〇 |
Y!mobile | 〇 | 〇 | 〇 |
ahamo | d払いで支払いできるのは利用可能 | ||
LINEMO | ソフトバンクまとめて支払いできるのは利用可能 | ||
楽天モバイル | 〇 | × | × |
mineo | 〇 | × | × |
irumo | d払いで支払いできるのは利用可能 |
上記の表のように、キャリア決済を使えるのはUQモバイルやY!mobile、ahamo、LINEMO、irumoのみです。
楽天モバイルやmineoは使える条件が限られていて、ショッピングサイトが使えないのと、App Storeが利用できないので必然的にiPhoneではキャリア決済が使えないことになります。
また、キャリアのポイント、光回線などのセット割、キャリア提供の公衆無線などのサービスを使っている人もいると思います。
このような問題を解決するためには以下を参考にしてみましょう。
- キャリアメールが使えない:フリーメールを新たに作るor独自のメールアドレスのある格安SIMに乗り換える
- キャリア決済サービスが使えない:クレジットカードやデビットカードなどの決済方法に変えるorキャリア決済が使える格安SIMに乗り換える
- 貯まったポイントがある:忘れずに使えるお店で使う
- 光回線などのセット割がなくなる:格安SIMと他の光回線などの料金や品質を比べる
- キャリア提供の公衆無線が利用できない:有料でキャリア提供の公衆無線を使う・MVNOでも同じような公衆無線サービスのあるところを選ぶ
特に④は、大手キャリアのままで行くか格安SIMに乗り換えるかの決め手になる項目です。
まずは今の料金や受けているサービスの必要性を洗い出すことが、乗り換えるのかどうかの判断材料になるでしょう。
⑷クレジットカード決済のみのMVNOが多い
MVNOでは基本クレジットカード支払いのみとなっていますが、最近ではデビットカードや口座振替に対応できるMVONが増えてきています。
クレジットカードを使いたくない・持てないという方は必然と以下の格安SIM会社を選ぶことになると思うので、ぜひ参考にしてみて下さい。
口座振替にしたいという方は、手数料が発生する場合があるのであらかじめチェックしておきましょう。
格安SIM名 | デビットカード | 口座振替 |
UQ モバイル | 〇※ | 〇 |
Y!mobile | 〇※ | 〇 ※手続きが完了するまで1~2ヵ月かかる |
楽天 モバイル | 楽天デビット スルガ銀行デビット | 〇 ※手数料110円/月 |
mineo | 〇※ | eo光ネットで口座振替している方のみ |
日本通信SIM | 〇※ | × |
QTモバイル | × | BBIQで口座振替している方のみ |
J:COM モバイル | 〇※ | × |
DTI SIM | 〇※ | 〇 |
ahamo | 〇※ | 〇 |
povo | 〇※ | × |
LINEMO | 〇※ | 〇 |
irumo | 〇※ | 〇 |
※デビットカード会社の基準による
もし、クレジットカードを持てるのであれば、1枚は事前に用意しておくことをおすすめします。それだけでグッと格安SIM会社を選ぶ幅が広がりますよ。
⑸LINEのID検索ができない
格安SIMではLINEで友達追加をする「LINEのID検索」が使えません。
ID検索機能を使う為には「年齢確認」を行う必要があるのですが、LINEの年齢確認は、大手携帯電話会社とLINE株式会社が協力して行っており、連携していない格安SIMでは年齢確認をすることができません。
「年齢認証」は見知らぬ人とのやり取りがトラブルに発展する可能性があるとして、18歳未満のユーザー保護を目的としたもの。
そのため、格安SIMではID検索や電話番号検索などLINEの一部機能が制限されてしまうのです。
LINEの友達リストに連絡先を加えたい場合は、以下の方法で解決できますので参考にしてみて下さい。
- LINEの年齢認証ができる格安SIMに乗り換える
- 専用URLを発行し友だちに送信
- QRコードを利用する
- 「ふるふる」を使う
- パソコンのLINEで検索だけ行う
①のLINEの年齢認証ができる格安SIMは以下の通りです。
- 楽天モバイル(Android版のみ)
- UQモバイル
- Y!mobile
- mineo
- II Jimio
- イオンモバイル
- ahamo
- LINEMO
- irumo
意外とやり方はあるので、デメリットというデメリットではないでしょう。
⑹購入可能機種が限られている
大手キャリアに比べて格安SIMで端末を購入する場合、選べる機種が少ないため、どうしても選択肢が限られてしまいます。
また最新機種がないという格安SIMが多いので「絶対この機種で格安SIMを使いたい!」という方は端末のみ自分で用意し、新たに格安SIMへ申し込むといいでしょう。
⑺自分で初期設定(APN)を行う必要がある
今使っているスマホで格安SIMに申し込むとSIMカードのみ届きます。
送られてきたSIMカードをスマホに差し込んでから「APN設定」と言われる初期設定を行うのですが、これは基本どのMVNOを選んでも自分で行うことになります。
機械が苦手な人や初期設定を自分でやったことがない人には、とってもハードルが高いように感じると思います。
しかし、実際はSIMカードと一緒に初期設定の方法が載っているマニュアルも一緒に送られてくるので、焦らず1つ1つやっていけば難しくはありません。
また、各MVNO会社の公式Webサイトにも初期設定の方法のページが用意されているので、簡単に設定することができますよ。
格安SIMに向いている人・向いてない人
格安SIMのメリットとデメリットが分かったところで、今度は「格安SIMに向いている人・向いてない人」を見ていきましょう。
格安SIMに向いている人
格安SIMは必ずしも万人向けではありませんが、格安SIMのデメリットが解決できる範囲内なのであれば、格安SIMでも十分に満足できるはずですよ…!
- 毎月のスマホ代を安くしたい
- スマホメーカーにこだわらない
- 必要なオプションだけ欲しい
- 近くにMNVOの店舗や窓口がある
- 自分で調べて設定するのが苦ではない
- キャリアサービスの恩恵を受けてない
- 自宅にネット回線がありネット手続きができる
上記の方は、出来るだけ早めの乗り換えを検討しましょう。それだけで、毎月のスマホ代は大幅に変わります!
手続きに不安がある、面倒で先延ばしにしているという方は、ぜひ店舗のあるMNVOに相談しに行ってみましょう。
その一歩で、高い月額料金から解放されますし、本当に必要なサービスを受けることができます。
もし、手続きをネットで簡単に済ませたい方は、ぜひ当サイトの乗り換え方法を書いた記事を参考にしてみて下さいね。
格安SIMに向いてない人
残念ながら、格安SIMのデメリットがあなたにとってかなり痛手となるのであれば、無理に格安SIMをおすすめはできません。
他の人にはいいサービスでも、あなたにとって満足できるものでなければ、それはいいサービスとは言えないからです。
以下のような方は、月々のスマホ代は格安SIMよりも高くなるかもしれませんが、サービスの満足度は非常に高いはずです。
- 電話番号での通話をよくする
- データ通信速度を何より重視している
- 手続きや設定を店員にしてもらいたい
- キャリアサービスの恩恵を受けている
- 最新のスマホを使いたい
- スマホと自宅のネット回線のセット割引きなどを契約している
上記の中の“電話番号での通話をよくする”“データ通信速度を何よりも重視している”で格安SIMに乗り換えるか悩んでいる方は以下の方法で解決できるかもしれません。
それは大手キャリアの「サブブランド」の格安SIMに乗り換えるという方法です。
CMでもお馴染みのUQモバイルやY!mobileは、大手キャリアと格安SIMの中間のような存在で、完全かけ放題プランや通信速度が充実しているMVNOです。
UQモバイルはauの、Y!mobileはソフトバンクのサブブランドとして「低価格なのに高品質なMVNO」として人気があります。また、店舗数やサポート面でも充実しているので、手続きや設定を店員さんと相談しながら行いたいという方にもおすすめ。
初めての格安SIMでサービス面が心配な方は、こういったサブブランドのMVNOを選ぶという手もありますよ。
まとめ
今回は、格安SIMのメリットとデメリットを大手キャリアと比較しながら解説していきました。最後にこの記事のおさらいをしていきましょう。
- 月額料金が安い
- 端末代が安い
- 料金プランがシンプルで分かりやすい
- 格安SIM会社独自のサービスがある
- 通信速度が不安定
- サービス面がキャリアより劣る
- キャリアサービスが使えない
- クレジット決済のみのMVNOが多い
- LINEのID検索ができない
- 購入可能端末が限られている
- 自分で初期設定を行う必要がある
一見デメリットが多いように感じますが、一つ一つ紐解いていくと、それほどデメリットでなかったり解決できることが分かったと思います。
「格安SIMの契約前に確認すべき10のポイントを解説」では、格安SIMに乗り換えたい人向けに丁寧に解説していきますので、自分の状況と照らし合わせながら一緒に確認していきましょう!