スマホ代を節約できるとして格安SIMが注目されていますが、実はその格安SIM自体どういうものなのかよく分からない…!という方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、格安SIMについての基礎知識を伝授しようと思います。
- SIMカードの仕組みや役割
- 大手キャリアと格安SIMの違い
- 格安SIMと格安スマホの違い
この記事を読めば、なぜ格安SIMがスマホ代節約になるのか分かりますよ…!
SIMカードとは
SIMカードとはスマホの中に入っているICカードのことです。
このSIMカード(ICカード)には、電話番号や加入者の情報などが記載されていて、契約した携帯会社から発行されます。
大手携帯電話会社で契約すると、販売員が入れ替えなどを行うので、見たことがないという方もいるかもしれませんね。
では、このSIMカードは具体的にどんな役割があるのか詳しく見ていきましょう。
SIMカードの役割
SIMカードがない場合だと、通信を必要としないカメラやメモ帳などは使えますが、通信を必要とする多くのアプリは使用することが出来ません。
しかし、Wi-Fi接続をしていれば通信が必要なアプリや検索といった操作は可能となります。一番の大きな違いは
- Wi-Fi接続していない時に通信できるか
- 電話回線を使った通話機能やSMSが使えるか
という点です。
また、SIMカードはスマホの機種変更の際に“SIMカードを挿し替える”という作業だけで、簡単に同じ電話番号のままスマホを使うことができるというメリットもあります。
それは先述した通り、SIMカードには利用者情報(利用者の識別番号や電話番号)が記録されているため。
ただ、写真やメール、アプリ、LINEのトーク履歴などは基本スマホ本体内のメモリ(またはmicroSDカード)に保存されているため、データの移し替え作業が必要になります。
SIMカードのサイズの違い
SIMカードには大きさ別に「標準SIM」「マイクロSIM」「ナノSIM」の3つの種類があります。SIMカードは規格化されているため、どの携帯電話会社のSIMカードでもサイズの分類は同じです。
大きさ | 特徴 | |
標準SIM | 縦25㎜ ×横15㎜ | ガラケーによく使用されていたSIMカード |
マイクロ SIM | 縦15㎜ ×横12㎜ | やや古めの格安スマホやガラホなどで採用されている |
ナノSIM | 縦12.3㎜ ×横8.8㎜ | 最近はこのナノサイズが主流 |
実はこのほかに「マルチSIM」というものもあります。
標準・マイクロ・ナノのいずれかのサイズに1枚のSIM台紙から取り外せるため、使いたい端末の対応サイズに合わせて切り離せることができます。
ただし、切り取った後にナノからマイクロ、マイクロから標準といった、大きなサイズへの変更はできないので注意が必要。
このSIMカードはサイズを間違って契約すると、以下のようなデメリットがあります。
- SIMカードサイズ変更の事務手数料(3,000円位)をとられる
- 新しいSIMカードが届くまでの数日間使用中のSIMカードが使えなくなる場合がある
これはかなりの痛手となるため、SIMカードのサイズ確認はとても重要となります。
SIMカードの機能の違い
SIMカードは大きく分けて「音声通話SIM」「データSIM」の2種類があり、上の図のようにサービス内容が異なります。
音声通話SIM | 特徴 | 電話回線を使用する通話、SMSの送受信、データ通信の3つが使用できる |
用途 | 普段使いのメインのスマホとしておすすめ | |
データ SIM | 特徴 | データ通信のみ※オプションでSMS追加ができるものもある |
用途 | タブレットやモバイルルーターの通信カードとして利用 |
データ通信プランは通常SMSが使えませんが、格安SIM会社によっては「SMS機能付きデータ通信プラン」というものもあります。
LINEやFacebookなどの一部のアプリでは、新規にアカウントを取得したりする際にSMSを使った認証が必要ですが、このSMS付データSIMであれば利用できます。
種類によって月額料金が違い、途中で変更するにはSIMカードの再発行や手数料が必要になることがあるので、申し込みの前に使う機能に合わせて適正なSIMカードを選ぶようにしましょう。
SIMカードについてのまとめ
では、SIMカードについての基礎知識をおさらいしていきましょう。
- SIMカードとは、スマホの中に入っているICカードで、利用者情報が記載されている
- SIMカードがない場合、Wi-Fi接続していないとデータ通信や通話ができない
- SIMカードは機種変更する際、新しいスマホに挿し替えるだけで同じ番号を使うことができる
- SIMカードには3つのサイズがあり、契約時にはサイズに注意する必要がある
- SIMカードには「音声通話SIM」と「データSIM」の2種類がある
格安SIMとは
格安SIMとは、大手携帯電話会社よりも格安の料金で利用できる携帯電話サービスのことです。
格安SIMを提供している会社はMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれ、大手携帯会社の「NTTドコモ」「au」「ソフトバンク」はMNO(移動体通信事業者)と呼ばれています。
大手キャリア | MVNO |
---|---|
通信設備 | |
通信設備あり 通信設備を自社で持つコストに応じて、利用者にも相応の通信費がかかる | 通信設備なし 大手キャリアの回線をレンタルすることでコストカット |
店舗 | |
全国に店舗あり 人件費、テナント代などにコストがかかる | 一部店舗あり 人件費、テナント代などにかかるコストがかからない |
端末 | |
端末の開発、種類豊富 開発費用が膨大 | 基本端末開発なし、再販 SIMフリー端末などを再版しコストカット |
MVNOは、上記のようなコストカットをすることで低価格のスマホ料金を実現させています。
格安SIMの魅力は何といっても低価格ですが、その分大手キャリアよりは通信速度やサービスの品質はやや劣ってしまいます。
このことについては「格安SIM・スマホのメリットとデメリット」で詳しく解説していきますね。
格安スマホとは
格安スマホとは「格安SIM」と「SIMフリースマホ」がセットになった商品の総称です。
大手キャリアのスマホは「SIMロック」といって、docomoならdocomoの、auならauの、ソフトバンクならソフトバンクの端末しか使えない状態になっています。
つまり、通信業者から購入した端末は、その通信業者のSIMカード(通信サービス)しか使えないということです。
2021年10月1日から携帯電話の「SIMロック」が原則禁止となり、他社への乗り換えが前よりもしやすくなりましたが、端末によっては他社のバンド(周波数帯)に対応していない場合もあります。
一方SIMフリースマホは、その名前の通り「SIMロックがかかっていない端末」のことを指し、キャリアを限定せずに利用できるため格安SIMとの相性は抜群。
- どの通信業者のSIMカードでも通信ができる
- 複数の通信業者と契約しても、SIMカードを入れ替えるだけで使い分けることができる
- 他社に乗り換える際にSIMロック解除の手間がいらない
SIMフリースマホには、高スペックなのに安価な海外メーカー製のスマホや、日本メーカーのスマホもあります。
格安SIMを検討している方は、SIMフリースマホとセットで購入すると初期設定も少なくおすすめですよ。
まとめ
今回は格安SIMについての基礎知識を解説しました。
- SIMカードは利用者情報を識別するために、通信業者が発行するICカード
- SIMカードがないと、Wi-Fi接続していない場合データ通信や通話ができない
- SIMカードは機種変更をする際、新しいスマホに挿し替えるだけで同じ電話番号を使う事ができる
- SIMカードにはサイズや機能の違いがある
- 格安SIMとは、大手通信業者より安い料金で利用できる通信サービスのこと
- 格安スマホとは、格安SIMとキャリアを限定しないで使用できる「SIMフリースマホ」がセットになった総称
格安SIMは大手キャリアの回線を借りたり、実店舗を持たないなどのコスト削減によって、低価格の月額料金を実現しています。
物価の上昇によって生活費を少しでも節約したい!と考えている方には、スマホ代を一度見直すだけで、ラクに月数千円も節約出来ます。
ここで学んだことを踏まえて、今度は「格安SIM・スマホだとどのくらい安くなるの?」に進んでいきましょう。
実際にどのくらい安くなるのかが分かれば、格安SIMの乗り換えも検討しやすくなるでしょう。